
テンペの作り方
- Nov 28, 2018
- in column
テンペの作り方
当レシピはかわしま屋が発酵食製造者のアドバイスのもとにまとめたものです。
あくまで作り方の一例として、ご覧いただけますと幸いです。
ご家庭の環境やお好みでつくりやすいような作り方で、テンペづくりをお楽しみください。
当レシピは継続して改訂させていきます。
より良い方法やあって便利だった道具などがございましたら是非お教えください。
美味しいテンペが出来上がる事を願っております。
テンペとは
テンペは、インドネシアの中部ジャワ島からきたの発酵された大豆の食料です。

テンペは、インドネシアの中部ジャワ島から由来する大豆を発酵した食べものです。
テンペや豆腐は大豆を主原料として作られています。しかし、豆腐は大豆を豆乳として使うので大豆の限られた栄養分のみしか得られません。
テンペは大豆を丸ごと発酵させるので、豆腐より豊富に栄養素が含まれています。
含まれる栄養素は、タンパク質、ミネラル、ビタミンB、グルコース(エネルギー)などです。
特に豊富に含まれるのがタンパク質です。
大豆に含まれるタンパク質の量が、肉に含まれるタンパク質とほぼ同じ量と言われることもあります。
肉を摂取しなくても、テンペを食べる事で必要な栄養分を得ることができるそうです。
"テンペとは"の詳しい内容はこちら
テンペ作りの材料

【用意するもの】
【テンペ作りにあると便利なもの】
- ・ 発酵器などの保温器
- ・ ジップロック
- ・ ビニール袋
- ・ 爪楊枝や竹串
テンペのおすすめの商品はこちら
テンペの作りかた
1. 大豆を洗う

大豆をボールなどに入れ、皮が破れない程度にゴシゴシすりあわせて洗います。
大豆の表面についている土や汚れにはテンペ作りに悪影響を及ぼす微生物が大量についてます。
良く洗うことで、土や汚れを洗い流して下さい。
2. 大豆を酢入りの水に漬けておく

洗った大豆を、大豆重量の4倍程度の水(大豆500gなら水2リットル)
に漬けます。乾燥大豆は水を吸うと重量は約2.2倍、容積は2.6倍以上になります。
大きめのボールを用意しましょう。
水温が20度以上になると浸漬水中に微生物が増殖します。
食酢をいれる事でこれを防ぐ事ができます。
水1リットルに対して50ml程度の食酢を入れれば、お酢の酸液により
微生物の増加をおさえられます。
浸漬時間は、
・冬(水温0-5度)なら24時間、
・春・秋(水温10-15度)なら15時間、
・夏(水温20-25度)なら6時間程度が目安です。
大豆中心部のくぼみが平か、ほとんど平な状態が、ほどよく浸水した目安です。
3. 大豆の皮剥き

大豆の薄皮が残っていると、上手にテンペ菌が発酵しない可能性が高まります。
浸漬した大豆を丁寧にこすりあわせて皮を向むいていきましょう。
皮剥きはおおよそ1時間程度がかかります。
4. 大豆を煮る

皮をむいた大豆を鍋に入れ、1リットルの水と、お酢50mlを加えて、
30分から60分程度、弱火で豆を煮ます。
煮る具合は、指でぎゅっと押してもつぶれにくいくらいです。
大豆の状態は、硬くても、柔らかすぎも良くないので注意が必要です。
5. 湯切りをする(水切り)

煮あがった大豆をザルに受けて、大豆の表面を乾かしながら温度を下げます。
やさしくザルを振って大豆の上下を返し、水分を蒸発させると同時に
40℃くらいまで冷まします。
水分が残ると発酵が遅れてしまうことがあるので、
しっかりと水分を飛ばすことが大切です。
6. 大豆にテンペ菌を付ける

煮大豆200gに対して、テンペ菌1g~10gを目安に種付けを行います。
そのままの分量では豆全体に菌を混ぜるのが難しいので、あらかじめ種菌に
片栗粉や上新粉、はったい粉、米粉など主成分がデンプンの粉を加えて、 菌を10倍程度に増量しておきましょう。
(テンペ菌1gに対して片栗粉などを9g程度を混ぜる)
40度程度に冷めた煮大豆を、大きめのポリエチレン袋などに入れ、
準備しておいたてテンペ菌をまぶします。
種菌がまんべんなく行きわたるように、袋をよく振ります。
7. 種付けした大豆をジップロック等の袋に入れる

あらかじめ、爪楊枝などで小さい穴を開けておいたジップロックに、
種漬けした大豆を入れます。
テンペ菌は発酵すると炭酸ガスが発生します。
炭酸ガスを逃がし、酸素を取り込むためには空気穴が必要となります。
3cm四方に1点程度の割合で穴を開けます。
入れ終えたら、袋に入れた大豆を板状に軽く押し固めます。
ジップロックなら、発酵完了後そのまま冷蔵庫に入れることもできるので便利です。
8. 保温し発酵させる
種付けした大豆を約20-24時間保温し、発酵させます。
発酵に最も適した温度は約32度です。
パン用の発酵器などの保温器があると便利です。

16時間程度で白い菌糸がみえるようになります。
大豆の表面を白い菌糸が覆い、しっかりしたブロック状に固まればテンペは完成です。

テンペのおすすめの商品はこちら
テンペの保存
発酵を終えたテンペは常温に放置しておくと、次第に黒酢んできます。
1-2日の保管ならば冷蔵庫に、
長期保存の場合は冷凍庫に入れましょう。
テンペの保存
発酵を終えたテンペは常温に放置しておくと、次第に黒酢んできます。
1-2日の保管ならば冷蔵庫に、
長期保存の場合は冷凍庫に入れましょう。
自家製テンペづくり Q&A

- テンペ菌は多く入れても大丈夫ですか?
- 種付けに使用するテンペ菌の分量は、煮大豆1kg(原料500g)に対して1gとされています。
しかし、これだけ少量だと、大豆一粒一粒にまんべんなく種付けするのは難しいので片栗粉や米粉などデンプンによる増量を行うことをおすすめします。(テンペ菌1gに対して片栗粉などを9g程度を混ぜる)
なお、デンプンはテンペ菌のエサとなるので、テンペ菌の増殖促進剤の役目も果たします。
- テンペをしばらく常温に放置しておいたら黒くなりました
- 必ず冷蔵庫で保存してください。長期保存は冷凍庫。
発酵完了後でもテンペ菌は生きているため、常温で放置しておくとテンペ菌の生育が進み黒い胞子がでてきます。胞子自体に害はないので、変なにおいや味がしなければ食べてもかまいません。しかし、過発酵の状態になると次第に風味が落ちたり、渋みがでてきます。変なにおいがしたら破棄するようにしましょう。
- 大豆の皮を剥かなくてもできますか?
- 皮付き大豆は菌糸の食い込みが悪い。
皮付きのままの大豆でテンペを作ると、皮と胚乳の間で菌糸の食い込みが悪くなり、テンペに少し力を入れただけで皮と豆が離れて粒がバラバラになりやすくなります。どうしても皮を残したままテンペを作りたい場合は、種漬け後に大豆をザクザク切り刻んで発酵をさせます。
- テンペなので納豆のようなにおいがして糸がひいてます。
- 作業中の納豆菌混入によるものと考えられる。
納豆菌は私たちが食品として食べている納豆の中だけでなく、土壌や大気中などさまざまな場所に生息しており、あらゆる食品の製造現場において納豆菌対策は最重要課題の一つと言えます。納豆菌の混入がわかったときは、作業環境や作業道具を清掃・洗浄して、納豆菌が入らないように改善をします。テンペづくりの際は、納豆に触れない、食べないを徹底し、必ず手を洗いましょう。
- テンペが柔らかすぎて歯ざわりが悪いのですが・・
- 煮熟時は必ず大豆の煮え具合を指で確認する。
大豆を煮る時間が長すぎたことが原因と思われます。大豆を煮すぎてしまうと、テンペ特有の食感が失われてしまいます。大豆の煮熟は沸騰後、弱火にして30分~60分程度とし、適当なところで大豆の煮具合を確認するようにしましょう。煮具合は、指でギュッと押したときに、やや潰れにくいくらいがちょうどよいです。テンペの大豆はかなり硬めとなります。
テンペのおすすめの商品はこちら
テンペのおすすめレシピ
テンペは揚げて食べる又は他の食べ物と一緒に食べるのが最適です。インドネシアではテンペはとてもポピュラーな料理であり、好んで食べる人が多いです。少なくとも週に1回は食卓にテンペが並びます。
テンペのレシピは色々ありますが、ここで紹介するのは私がお勧めする二つのレシピです。
今回ご紹介するテンペのレシピは、かわしま屋がインドネシア人の友人のアドバイスをもとにまとめたものです。
一つ目はテンペを揚げるレシピで、もう一つはテンペを煮るレシピです。
揚げるレシピは風味と香ばしさがあり、煮るレシピは風味と甘味がある、デザート感覚で楽しめる味です。
これらのレシピは、インドネシアのオリジナルのテンペレシピで、多くの人に好んで食べられています。
テンペ メンドアン(生地を塗って揚げるテンペ)
「メンド」という言葉はジャワ島の方言(バニュマサンの方言)の一つであり、これは半熟調理された、または柔らかく調理されたテンペを意味しています。
しかし、インドネシアのテンペメンドアンはすべて半熟調理されているわけではなく、一部の地域ではサクサクの食感になるように調理されているものもあります。
テンペメンドアンの最もお勧めの食べ方は、甘い唐辛子ソースや甘い醤油(インドネシア語で「ケチャップ」)で味付けしたり、唐辛子と一緒に合わせる食べ方です。
作りたての熱いうちに米と一緒に食べると美味しく召し上がれます。または、紅茶やコーヒーと一緒に軽食の時間に食べるのもお勧めです。

生地の材料
- ・小麦粉
- 100 grams
- ・タピオカ粉
- 25 grams
- ・塩
- 少ないで、適量
- ・コリアンダーパウダー
- 小さじ一杯
- ・ニンニク
(細かく刻んでください) - 1片
- ・リーク
(切ってください) - 一本
- ・水
- 130 ml
材料
- ・テンペ
- 200 grams
- ・揚げ油
調理ステップ
- 1
- テンペを薄切りにします(3mm~5mmの厚さ)。
- 2
- 生地の材料を全て混ぜて、塊が無くなるまで混ぜます。水分が多いと塗りづらいので少なめにしましょう。生地はパンケーキの生地のように少し厚く塗りましょう。
- 3
- フライパンに油を入れ、中火~高熱で加熱します。
- 4
- 油が十分加熱されたら、テンペを生地に塗って、油で揚げます。テンペを山吹色~淡い茶色まで揚げるのが良いです。
- 5
- フライパンからテンペを取り出し、裏ごしで油を切ります。
- 6
- お皿に盛り付け、温かいうちにお召し上がりください。
テンペバチェム
バチェムに使われる主要な材料はテンペと豆腐(インドネシア語では、「tahu」)。バチェムされた食べ物は甘いですが、甘味の後には美味しい風味が感じられます。
バチェムされた食べ物は冷蔵庫で4日間保存し熟成させます。この間にタンパク質が増え、発酵が進み食材が痛みにくくなります。
煮た後にすぐ食べられますが、揚げてサクサクになって食べるのもお勧めです。米と一緒に食べるのがお勧めです。

材料
- ・テンペ
(自分好みの厚さを切ってください) - 400 grams
- ・ヤシ砂糖(パームシュガー)
- 75 grams
- ・タマネギ(オニオン)、
細かく刻んでください - 4片
- ・ニンニク
(細かく刻んでください) - 2片
- ・ウコン(ターメリック)の粉
- 小さじ ½杯
- ・コリアンダーパウダー
- 小さじ一杯
- ・甘い醤油
(インドネシアのケチャップ) - 大さじ4-5杯
- ・ローリエの葉
(ローリエの葉は見つけられなかったら、使わなくても大丈夫です) - 4枚
- ・塩
- 小さじ2杯
- ・水
- 2リットル
調理ステップ
- 1
- 材料を全て鍋に入れ、中火で沸騰させます。
- 2
- 焦げないように、定期的にゆっくり混ぜます。混ぜ忘れると気泡が出てきて風味が落ちてしまう原因となります。
- 3
- 沸騰時間は約1時間、またはすべての水が蒸発するまで行います。
- 4
- 火を消して、鍋からバチェムされたテンペを取り出します。
すぐ揚げて食べるのも良いし、冷蔵庫で4日間保存して後で揚げて食べても美味しく召し上がれます。
テンペのおすすめの商品
- テンペ手作りキット(テンペ菌20g+北海道産無農薬大豆500g)
- 北海道産の無農薬大豆「トヨマサリ」と テンペの本場インドネシアのAFI社製最高品質のテンペ菌のセットです。
わかりやすい解説書付きなので、ご家庭で手軽にテンペづくりを楽しむ事ができます。 - 商品ページはこちら
- テンペ菌 20g
- テンペの本場インドネシアのAFI社製最高品質のテンペ菌です。 わかりやすい解説書付きなので、ご家庭で手軽にテンペを楽しむ事ができます。
一袋でテンペ約10kg分をお作りいただけます。 - 商品ページはこちら
- 北海道産無農薬大豆「トヨマサリ」500g
- 「とよまさり」は大豆の中でも風味がよく、甘味があるので、「大豆の横綱」とも呼ばれているほど。 食味が良いので煮豆に適しています。
また、味噌作りや豆腐にするときれいに仕上がります。 ショ糖の含有率が他の大豆に比べて高い為、さまざま料理で大豆の豊かな風味を味わえます。
北海道幕別町で30年以上、大豆を作り続けている平譯優さんが 大事に育て上げた無農薬大豆です。 - 商品ページはこちら